データベースエンジニアの将来への漫然とした不安はありませんか。
データベースエンジニアの仕事はソフトウェアのパッケージ化や工程の自動化が進んでいます。
そのため従来型のデータベースエンジニアの仕事は減りつつあります。
これらのことからデータベースエンジニアへの一歩を踏み出すことに躊躇される気持ちも理解できます。
安心してください。データベースエンジニアには魅力的で引く手あまたな職種へのキャリアパスがいくつもあります。
この記事では4つのへのキャリアパスについて、この4つを経験したデータベースエンジニア歴25年の私が解説いたします。
データベースエンジニアの将来性
後述する理由から、単なる作業者としてのデータベースエンジニアではじり貧で、スキルアップは必要不可欠と言える状況です。
これを聞いてあなたならどうしますか。他の職種を探しましすか。
それでも私ならキャリアパスを考慮にいれデータベースエンジニアを選びます。
キャリアアップ先の職種が魅力的だからです。
たとえて言うなら、進化先が優秀なポケモンを選んで育てるイメージです。
そしてデータベース自体の需要は尽きないため(理由は後述)、データベースエンジニアとそのキャリアアップ先についても未来は明るいと私は考えています。
では、データベースエンジニアとキャリアアップ先の職種の将来性について検討しましょう。
データベースのインフラ化
あらゆるITシステムの裏側でデータベースが動いています。
例えは、生活様式の変化で需要を延ばすネットショッピングの業務を考えてみましょう。
在庫管理、お勧め商品紹介、顧客管理等すべてデータベース上で行っています。
私見ですが、データベースを構築する作業はなくなることはない。と断言します。
むしろ企業のインフラとして必要不可欠な存在になったと私は考えています。
データベースエンジニアの需要
昨今のデータべ-スマネージメントシステムは業務パッケージ化されることが多くなりました。
業務ユーザでも扱いやすくなり、単純な作業においてはデータベースエンジニアを必要とする場面が減っています。
データベースエンジニアは不要になっていくのでしょうか。
いえ、そうではありません。私は以下のように考えています。
「敵を知り己を知れば百戦して殆うからず」(孫子)
企業にとって敵の情報も己の情報もデータベースにあります。
データベースは構築するだけでは意味がありません。データは活用してこそです。
経験上お客様からよく尋ねられるのは
- XX分析のためのデータはどこにあるのか?
- XX分析のための現在社内にないデータは何か?
- XX分析するにはどのデータをどう使えば指標数値が算出できるのか?
このように、活用のためのデータベーススキルを持つデータベースエンジニアが必要とされると私は考えています。。
データサイエンティスト、プロジェクトマネージャー、データベースコンサルタント・・・
キャリアアップ先のこれらの職種もより高度に分析活用を手助けする職種なのです。
つまりデータベースのスキルに加えて+αの知識やスキルを持った人材需要は高まっています。
それがデータベースエンジニアとそのキャリアアップ先であると私は考えています。
データベースエンジニアのキャリアパスで重要な点
私がキャリアパスについて考えるとき以下の事が重要だと感じています。
キャリアパスの職種は自分がやりたい仕事であることに加え、会社が欲しい人材(職種)であること。
キャリアアップには新しい職域における勉強が必要です。
勉強のモチベーションとして、かっこいいからとか給料がいいからなどの理由では勉強を続けられない事が多いと感じています。
どうすれば、キャリアアップに必要な勉強を続けられるのでしょうか。
私の周りでキャリアアップに成功している人達には共通の理由があります。
それは「知的好奇心」と「責任感」です。
知的好奇心は、テストのための勉強でなく、興味を持ったから楽しいから調べている試している そんな状態です。
データベースエンジニアに限らずITエンジニアは新しい技術に対しての好奇心の強い人が多いと私は感じています。
趣味で「試しにやってみた」的な、手を動かす効果的な学習を無意識にやっている。私の周りはそんな人だらけです。
また、責任感は問題が発生した時に現れると私は考えます。
残された時間と対応方法の確実性を考慮し、最適な方法を考え、やり遂げることが重要と私は考えます。
無為に時間を過ごすより、手間がかかっても遠回りしてでも確実にやり遂げる責任感。
必ずいついつまでに完了させてくれると考えるからこそ、信頼し仕事を任せてもらえると私は思います。
データベースエンジニアの経験を活かしたキャリアパス
データベースエンジニアが選択すべきキャリアパスについて記載します。
いずれもデータベース経験を活かしスキルを+αする事で手が届く職種です。
私の場合はデータベースエンジニアの仕事の中でデータ分析を行っており、その延長でデータサイエンティストになりました。
また、案件によってはプロジェクトマネージャーの役割やデータベースコンサルの役割も行います。
それでは、個々の職種について説明します。どの職種もやりがいのある魅力的な職種と私は思います。
データサイエンティスト
「21世紀で最も魅力的な職業」といわれているデータサイエンティストです。
顧客のデータを分析し、需要予測のモデリングや購買動機の因果関係の分析等、ビジネスに新たな知見を与える存在です。
一般的に
・統計学
・プログラミング言語(PythonやR)
・分析手法(機械学習等)
・データベーススキル
が必要と言われています。
私自身はデータサイエンティストになるにあたって新しく学ばなくてはならない事は多かったと思います。ただし、データベースエンジニアを経験から、分析データの取り出しや加工で苦労する事はありませんでした。
また、分析対象データの選定も容易でした。これはそのお客様のデータベースを構築した経験により、データの意味・ビジネス側の側面が理解できている事が大きいと感じています。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャー(PM)は、顧客からITシステム開発依頼を受け、プロジェクトチームを率いて、依頼を達成します。
データベース開発プロジェクトに常に参加しているデータベースエンジニアであれば、身近な存在といえます。
私の場合、通常業務の中でデータベースチームのリーダーを行った経験が、プロジェクトマネージャー(PM)になった際に役立ちました。
参加プロジェクトのPMの仕事ぶりからPMになるための多くの事柄を学べる事も利点です。
ただし、PMとして成功するためには、プロジェクトの各フェーズでの業務の理解が必要だと私は考えます。
このために私は会社のプログラムでPMPの資格を取得しました。この資格はPM業務を理解する早道と私は思います。
データベースコンサルタント
顧客が保有するデータから新たな知見を引き出すITシステムの構築を提案したり、業務の効率化をデータベースの側面から支援します。
先ほどPMの例でも述べましたが、データベースエンジニアであればデータベース活用の提案は容易でしょう。
ただしデータの意味・ビジネス側の側面を顧客と同等の深いレベルで理解していないと厳しい。と私は考えます。
該当する資格はありませんが、技術動向や業界動向を抑える必要を感じています。
私の周りのデータベースコンサルタントの話を聞くと、常にアンテナを張り巡らし情報を集め、時代の変化に伴う顧客のビジネスインパクトを考えることを心がけている事が分かりました。
ちなみに私の周りでは、得意分野によって
- 業務寄りのコンサルタント
- IT技術寄りのコンサルタント
に分かれる事が多いようです。
ハイブリッドデータベースエンジニア
この名称は私の創作です。
前述のデータベース+αの様々なスキルや知識を習得する事で、プロジェクトに貢献します。
プロジェクトメンバーやPMから頼られ「問題解決力のあるデータベースエンジニア」になる事と私は定義しています。
学び続ける事で居場所を確保し、次のキャリアへの準備をしている状態とも言えます。
また、データベースと並び立つような有用なスキルを持ち、両方に詳しい技術系エンジニアとしてやっていく事もできると私は考えています。
まとめ
データベースエンジニアの将来性はスキルアップにかかっています。
キャリアパスの代表として「データサイエンティスト」「プロジェクトマネージャー」「データベースコンサルタント」「ハイブリッドデータベースエンジニア」を紹介しました。
キャリアアップのためには「知的好奇心」が重要です。興味が持てる分野で楽しんで勉強してください。
キャリアアップのためには「責任感」も重要です。しかし、それにつぶされない楽しさを見つけられる方向にキャリアパスを考えてはいかがでしょうか。